息の音が一緒に録れているとき — この項目の読み方と対処
対処が出ていないのは、正常です。
参考 の刻印が付いた項目が 1 つだけ出ていて、[2] 対処 は空。当サイトはこの項目に、単独の対処を用意していません。 用意していないこと自体が、この項目についての当サイトの答えです。
したがってこのページは、他の 9 本と役割が違います。直す手順ではなく、この項目をどこまで読めばよいか — もっと言えば、どこから先は読まなくてよいかを書いています。
画面にはこう出ています
[5] 録れ方の判定 側:
この録音では 息の成分(4〜8 kHz の高域比を含む 3 成分の合成)が
{BREATH}と大きく、息の気配がそのまま残る録れ方です。 囁き寄りの語りや、近接ナレーションと噛み合う傾向です。 ただし息の成分が乗るぶん、まわりに音があると声の芯は埋もれやすくなります。
呼び名の側には 参考 の刻印が付きます。
息の音が一緒に入っている
参考この録音では、息の成分の合成値(BREATH)が{BREATH}でした(呼び名が出る境界は +0.84)。声が続かずに息の音が混じるほど大きくなる量で、有声の続きかた・スペクトルの平坦さ・高い帯の比の 3 つを合わせて出しています。 この項目は参考値です。単独では対処を出しません。入力レベルが低い測定と重なったときだけ、[2] 対処に 1 枚だけ出します。
何を測ってこの判定が出ているか
8 つの判定のうち、この項目だけが単位を持ちません。
他は dB か Hz か dBFS で、そのまま「何 dB 大きい」と読める量です。この項目の値は無次元で、+0.84 の dB を省略しているのではありません。3 つの量をそれぞれ基準で割ってから合わせた値なので、はじめから単位がありません。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 量 | 3 成分の合成値(有声の続きかた / スペクトルの平坦さ / 高い帯の比) |
| 単位 | 無次元。 dB ではありません |
| 呼び名が出る境界 | +0.84 |
| 信頼度 | 最も低い側に固定。 測定の条件が良くても上がりません |
判定に使っているのは、合成したあとの 1 つの数字だけです。 3 つの成分それぞれが境界を越えたかどうかは見ていません。画面の括弧書きは何を材料にしたかの内訳であって、判定が出る条件ではありません。
なぜ信頼度が最も低い側に固定されているのか
このページの中心はここです。
この合成値は、息の成分を測る指標として検証されたものではありません。 息の成分を扱う分野には確立した指標がありますが、この版の当サイトはそれを算出していません。代わりに、算出できる 3 つの量を合成して代用しています。 そして「代用として妥当である」ことを、当サイトはまだ確かめていません。
そこで当サイトは、この留保を数字で払わないことにしました。 境界を厳しくして出にくくする、という払い方をしていません。代わりに、次の 3 つで払っています。
| # | 払い方 | 実際の見え方 |
|---|---|---|
| 1 | 並び順を最後にする | 他の項目より下に出ます |
| 2 | 参考 の刻印を付ける | 呼び名の横に付きます |
| 3 | 単独では対処を出さない | [2] 対処 にカードが出ません |
数字で払わなかった理由: 境界を厳しくすると、出たときには確からしく見えます。しかし確からしく見えるようになっただけで、合成そのものが検証されていない事実は変わりません。 出にくくするより、出したうえで留保を見えるところに置くほうが、読む側が自分で判断できます。
いま何をすればよいか
ほとんどの場合、何もしなくてかまいません。
この項目が単独で出ているとき、当サイトは対処を出しません。出せる対処が無いからです。 上に書いたとおり、この値が実際に息の成分を表しているかどうかを当サイトは確かめておらず、確かめていない量を根拠に、置き方を変えるようにとは書けません。
例外が 1 つだけあります。
[3] 入力レベル が低い側に振れていて、なおかつこの項目が出ているとき、当サイトは [2] 対処 に 1 枚だけカードを出します。しかも、当サイトが出すどのカードよりも高い優先度で出ます。
▸ ノイズ抑制を OFF にし、マイクとの距離を詰めて測り直す 見込み幅: 距離を詰めた分だけ入力が上がり(距離を半分にすると +6〜12 dB 程度)、抑制を外した分だけ削られていた成分が戻ります
なぜこの組み合わせだけが特別扱いなのか: 入力が小さい録音では、声の成分に対してノイズ様の成分の割合が相対的に大きく見えます。合成に使っている 3 つの量は、どれもその影響を受けます。つまり「本当に息の成分が多い」のか「入力が小さいせいでそう見えている」のかを、1 回の測定では切り分けられません。
切り分けられないときは、切り分けられる側から先に直す。 それが入力レベルです。距離を詰めて測り直したあとも同じ値が出るなら、少なくとも入力の小ささが理由ではないことが分かります。 → 声がマイクまで届いていないとき
この項目が出ないとき
次のいずれかで、この項目は「判定できません」になります。
- 8000 Hz より上が残っていないとき。合成の 3 つ目(高い帯の比)が出せません。残る 2 つで代用することもしません — 同じ名前の値が 2 種類出回るのを避けるためです(→ 高い音が録音に残っていないとき)
- 有声と判定できたフレームが、発話フレームの 20 % に満たないとき。声の続きかたを見る量なので、有声の区間が少なすぎると値が意味を持ちません
- 声とまわりの音の差が 10 dB 未満のとき(→ まわりの音が録音に混ざっているとき)
- 歪みが 1 % を超えたとき
一緒に出やすい判定
声がマイクまで届いていない判定との組み合わせだけが、当サイトで特別に扱われています。 理由は上に書いたとおり、どちらが原因かを 1 回の測定で切り分けられないからです。当サイトの対処カードは通常、原因の上流にあるものから順に出ます。この 1 枚だけは、上流かどうかではなく「切り分けられなさ」を理由に、いちばん上へ置かれています。 → 声がマイクまで届いていないとき
サ行が目立っている判定とは、材料の一部が重なります。 どちらも高い側の帯の量を見ています。ただし同時に出ても、片方をもう片方の裏付けにはできません。 あちらは 1 つの比で信頼度の上限が中間、こちらは 3 つの合成で信頼度が最も低い側に固定です。 → サ行が目立って録れているとき
この判定で言えないこと
このページには、他の 9 本には無い 1 行があります。
この判定を根拠にして、何かを決めないでください。 機材を買う、設定を変える、録り直す — どれについても、この項目だけを理由にするには根拠が足りません。当サイトがこの項目を画面に出しているのは、測れた量を隠さないためであって、行動を促すためではありません。
- +0.84 という境界も、合成に使っている基準の値も、実測ではありません。 当サイトが置いた推定値です。実測による較正は今後の課題として残っています。
- 信頼度が最も低い側に固定されているのは、この録音の条件が悪いからではありません。 条件が揃っても上がりません。合成そのものの妥当性を確かめていないことの表示です。
- 息づかいや発声についての判定ではありません。 測っているのは、マイクとブラウザを通ったあとの音から算出した合成値です。
- 当サイトはマイクと録音の状態を測るツールです。医学的な判断や助言は行いません。→ 免責事項
もう一度測る
この項目のためだけに測り直す必要はありません。 [3] 入力レベル の側にも指摘が出ているときだけ、距離を詰めて測り直してください。変えるのは距離だけにしてください。
→ いまの状態を測る
関連するページ
- 音質パターン一覧 — 10 種類の判定の索引
- 一部の項目だけ「判定できません」と出たとき —
参考の刻印と信頼度の刻印の違い - このサイトについて / 免責事項