VoiceLoupe マイクとブラウザの設定を測る

声がマイクまで届いていないとき — 原因と対処

[5] 録れ方の判定 を探しても、この呼び名はありません。

出ているのは [3] 入力レベル と [2] 対処 の側です。[2] の 1 枚目に「マイクを口元から 15〜20 cm に近づけ、15〜30 度オフアクシスに置く」と出ているなら、この録音は声そのものより先に、マイクに届く音の大きさのほうが足りていない状態です。

探しても無いのは、当サイトが意図的にそこへ置いていないからです。 その理由を先に片づけてから、何から試せばよいかへ進みます。

画面にはこう出ています

[3] 入力レベル と [2] 対処 に、次の 2 つが出ます。

マイクまで届いていない 発話中の音量の中央値が {LVL} dBFS で、目安の −38 dBFS を下回りました。

▸ マイクを口元から 15〜20 cm に近づけ、15〜30 度オフアクシスに置く 見込み幅: +6〜12 dB 程度(距離を半分にした場合の一般的な範囲)

冒頭に書いたとおり、[5] 側にこの呼び名はありません。 これは不具合ではありません。理由は次の節にあります。

何を測ってこの判定が出ているか

見ているのは LVL — 発話している区間の音量(RMS)の中央値です。単位は dBFS で、0 dBFS が録音として入りうる上限、数字が小さいほど小さい音を表します。

項目値
判定の境界−38 dBFS。発話中の中央値がこれを下回ると、この判定が出ます
設計上の目安−18 dBFS。当サイトが後続の計算で前提にしている音量です
中央値が取れなかった録音での代用−31 dBFS(測定中の最大 RMS に対して見ます)。この代用の値は仮の目安であり、実測から出したものではありません

[2] の OBS 欄に出る Gain(音量を持ち上げる)の値は、この 2 つの差から出しています。目安の −18 dBFS から、いま測れた値を引き、0〜+30 dB の範囲に収めた数です。式が 1 つあるだけで、当サイトが機材ごとの推奨値を持っているわけではありません。

なぜ [5] の判定に出てこないのか

LVL はゲイン不変な量ではないからです。

[5] が扱っている 4 つの項目(低い側の量・中高域の量・サ行の帯の量・息の成分)は、どれも「帯域どうしの比」または「差」です。比や差は、録音全体の音量が 2 倍になっても値が変わりません。だからマイクの感度や OS の入力音量つまみの位置が違っても、同じ声なら同じ判定が出ます。

LVL はそうではありません。マイクの感度・OS 側の入力音量・口とマイクの距離が、すべて掛け合わさった結果の数字です。同じ声・同じ距離でも、つまみを動かせば値が変わります。この量を [5] に混ぜると、「つまみを上げたら録れ方の判定が変わった」という読み方ができてしまいます。

そのため当サイトでは、入力レベルの話を [3] に、録れ方の話を [5] に分けています。 探しても無いのは、意図的に置いていないからです。

なぜ小さく録れるのか

原因を、上流から順に並べます。上のものほど、下のものより先に確かめる価値があります。

  1. 口とマイクの距離。 距離が離れるほど届く音は小さくなります。当サイトが最初にこれを出すのは、費用が 0 で、いますぐ試せて、しかも他のどの項目にも影響するからです。
  2. マイクの向き。 指向性のあるマイクは、軸から外れるほど届く量が減ります。
  3. マイクそのものの感度。 ノートパソコン内蔵のマイクは、口元に置く外付けマイクより構造的に不利です。
  4. OS 側の入力音量。 ここは当サイトからは見えません(→ 下記)。
  5. ブラウザの自動ゲイン調整。 [4] このブラウザの音声処理 に出ている 3 つの設定のうち、自動ゲイン調整だけがこの量を動かします。ただし上げ下げするのは信号もまわりの音も同じだけです。

4 について: OS の入力音量は、ブラウザからは読めません。ご自身で設定を開いて、サウンドの項目から入力の欄を見ていただく必要があります。画面の名前は OS の版によって違うので、当サイトでは断定しません。(Windows と macOS で呼び方が違い、同じ OS でも版で変わります。)

試す順番

変えるのは 1 回に 1 つだけにしてください。 2 つ同時に変えると、どちらが効いたのか読めなくなります。

  1. 口元から 15〜20 cm まで近づけて、測り直す。 距離を半分にすると、一般的には +6〜12 dB 程度の幅で変わります。これが 1 手目である理由は、いちばん上流だからです。
  2. 口の正面から 15〜30 度ずらす。 まっすぐ正面に置くと、破裂音(パ行・バ行)の息が直接当たります。近づけたぶんだけ、角度で逃がします。
  3. それでも足りなければ、OS 側の入力音量を上げる。 ここで初めて、機材側のつまみに手を付けます。
  4. [2] の OBS 欄に出た Gain の値を、配信ソフト側に入れる。 これは録音そのものを変える手ではなく、録ったあとの信号を持ち上げる手です。

ゲインを上げると、まわりの音も同じだけ上がります。 声とまわりの音の差は変わりません。 だから距離を詰めるほうが先です。 距離を詰めると声の側だけが上がるので、差そのものが変わります。

変えても動かなかったとき

確かめること見る場所次に読むページ
別の入力先が選ばれていないか(内蔵マイクと外付けが両方ある環境で起きます)[1] のデバイス名測っても判定が出なかったとき
距離を詰めた結果、低い側だけがふくらんでいないか[5] の低い側の項目録音の低い側がふくらんでいるとき
まわりの音の側が大きいだけではないか[2] の帯に「まわりの音が混ざっている」が出ていないかまわりの音が録音に混ざっているとき

一緒に出やすい判定

息の成分の項目(参考 の刻印が付くもの)と重なったときだけ、当サイトは 1 枚だけ別の対処を出します。 これは 2 つが独立ではないためです。入力が小さい録音では、声の成分に対してノイズ様の成分の割合が相対的に大きく見え、息の成分の合成値が押し上げられます。どちらが原因かを 1 回の測定で切り分けられないので、先に入力レベルのほうを直します。 → 息の音が一緒に録れているとき

まわりの音が混ざっている判定とも重なりやすい組み合わせです。入力が小さいということは、声とまわりの音の差も取りにくいということだからです。 → まわりの音が録音に混ざっているとき

この判定で言えないこと

  • この項目は [5] 録れ方の判定 に出ません。 上に書いたとおり、ゲイン不変な量ではないためです。「入力レベルが低いから録れ方が悪い」という関係を、当サイトは主張していません。
  • −38 dBFS という境界は、いまのところ仮の値です。 実測による較正は今後の課題として残っています。
  • 見込み幅の「+6〜12 dB 程度」は、距離を半分にしたときの一般的な範囲であって、お使いのマイクでの保証値ではありません。マイクの指向性によって幅は変わります。
  • 当サイトはマイクと録音の状態を測るツールです。医学的な判断や助言は行いません。→ 免責事項

もう一度測る

距離だけを変えて、もう一度測ってください。変えるのは距離だけにしてください。 場所・ブラウザの設定はそのままのほうが、差がはっきり出ます。

→ いまの状態を測る

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