VoiceLoupe マイクとブラウザの設定を測る

録音の音量が揺れているとき — 原因と対処

8 つの判定のうち、時間の方向を見ているのはこれだけです。

残りの 7 つは「どの帯域がどれだけ残っているか」という周波数の話ですが、この項目だけは、測っている 5 秒のあいだに音量がどれだけ動いたかを見ています。大きいところと小さいところの開きが 20 dB を超えると、[2] 対処 に「音量が揺れている」が出ます。

自動ゲイン調整を切ってよいのか。 ここに先に答えておきます — 切る前に、まずマイクの位置を固定してください。 順序の理由は「試す順番」に書きます。

画面にはこう出ています

音量が揺れている この録音では、大きいところと小さいところの差が {DR} dB ありました(発話区間の P95 − P20)。自動ゲイン調整が追いかけて上下する原因になります。

[4] このブラウザの音声処理 で自動ゲイン調整の要求が通っていないときは、これに加えて次のカードが出ます。

▸ 自動ゲイン(AGC)の要求が通っていないため、OS 側の入力音量を確認する AGC に要求した値と、getSettings() の実際値が食い違っていました([4] MISMATCH・実測)。 見込み幅: 入力音量の見直しで ±3〜8 dB 程度の範囲で変わり得ます

何を測ってこの判定が出ているか

8 つの判定のうち、この項目だけが時間の方向を見ています。

他の 7 つは、録音を周波数の軸で切って帯域どうしを比べるか、全体の大きさを見ています。この項目は帯域を 1 つも比べません。 録音を時間の軸で切って、話している区間の中で、大きいところと小さいところがどれだけ離れていたかを見ています。

項目値
量発話区間の P95 − P20。大きい側から 5 % の位置と、小さい側から 20 % の位置の差
判定の境界20 dB を超えたときに「音量が揺れている」が出ます
対象話していると判定できた区間だけ。 無音の区間は入っていません

無音を含めない理由: 間を長く取る話し方をすると、無音まで含めた差はいくらでも大きくなります。それは音量の揺れではなく、間の取り方です。当サイトが見たいのは話している最中の揺れなので、発話と判定できた区間だけから 2 つの位置を取っています。

最大値と最小値を使わない理由: 1 回の咳や机を叩く音で、最大値は簡単に動きます。5 % と 20 % の位置は、そういう 1 点に引きずられにくい取り方です。

なぜ音量が揺れるのか

  1. 測定中に口とマイクの距離が変わっている。 手に持つ、体を前後に動かす、資料をのぞき込む。距離が変わると、届く音の大きさはそのまま変わります。
  2. 体の向きが変わっている。 指向性のあるマイクでは、正面から外れるほど届く量が減ります。画面の左右を見比べる動作だけでも起きます。
  3. 話し方そのものの幅。 文の頭が大きく語尾が小さくなる話し方では、区間の中に差が出ます。
  4. 自動ゲイン調整。 揺れを追いかけて上下します。これは揺れの原因ではなく、揺れへの反応です。 追いかけている最中は、声が小さい区間でまわりの音まで持ち上がります。

1 と 2 が上流である理由は、どちらもマイクに届く音そのものを動かしているからです。 4 はその後段で起きていることなので、1 と 2 を先に固定しないと、4 の影響だけを見ることができません。

試す順番

  1. マイクの位置を固定して、測り直す。 スタンドやアームで置き場所を決め、測っている 5 秒のあいだ動かさない。これが本体です。 位置が動かなければ、1 と 2 は同時に消えます。
  2. [4] の自動ゲイン調整を切り替えて、前後を測り比べる。 当サイトは切り替え前後の差分を表示します。この項目が自動ゲイン調整で動いたかどうかが、その場で分かります。
  3. [4] に「要求が通っていない」と出ていれば、OS 側の入力音量を見る。 ブラウザからの要求をブラウザ自身が受理していない状態なので、調整点が OS 側に移ります。画面の名前は OS の版によって違うので、当サイトでは断定しません。
  4. ここまでで残ったときだけ、録ったあとの信号を均す。 [2] の OBS 欄に Compressor(大きい音を抑える)の値が出ています。当サイトは目標を 20 dB ではなく 16 dB に置いています — 判定が出る境界そのものを目標にすると、境界の上下を行き来するためです。

4 は録音そのものを変える手ではありません。 録れてしまった揺れを、あとから均す手です。 均すと、声が小さい区間ではまわりの音も一緒に持ち上がります。 声とまわりの音の差が十分に取れていない録音では、先に位置を固定するほうが順序として上です。

変えても動かなかったとき

確かめること次に読むページ
位置を固定しても差が残る(話し方の幅がそのまま出ている)当サイトから言えるのはここまでです(→ 下の「言えないこと」)
固定したら、今度は入力そのものが小さいと出た声がマイクまで届いていないとき
均したあと、まわりの音が目立つようになったまわりの音が録音に混ざっているとき
発話と判定できた長さが足りないと出ている一部の項目だけ「判定できません」と出たとき

一緒に出やすい判定

声がマイクまで届いていない判定と重なると、経路が 1 本つながります。

入力が小さい録音では、自動ゲイン調整が強く働きます。強く働くと、声が小さい区間でまわりの音まで持ち上がるので、声とまわりの音の差が縮みます。差が縮むと、今度は 4 つの帯域比の判定が信頼度を下げるか、出せなくなります。

時間の方向の量が、まわりの音の量を経由して、周波数の方向の判定へ届くという経路です。8 つの判定のうち、この経路を持っているのはこの項目だけです。 → 声がマイクまで届いていないとき / まわりの音が録音に混ざっているとき

この判定で言えないこと

  • 20 dB という境界は、いまのところ仮の値です。 実測による較正は今後の課題として残っています。
  • これは声の大きさについての判定ではありません。 大きい / 小さいではなく、録音の中でどれだけ動いたかを見ています。小さいまま一定なら、この判定は出ません。
  • 話し方についての判定でもありません。 当サイトが測っているのは、マイクとブラウザを通ったあとの音です。発声そのものを測る手段を持っていないので、話し方を変えるようにとは書きません。
  • 揺れの原因が距離なのか話し方なのかを、当サイトは区別していません。 1 つの数字にどちらも入ります。区別を付ける方法は、位置を固定して測り直すことだけです。
  • 当サイトはマイクと録音の状態を測るツールです。医学的な判断や助言は行いません。→ 免責事項

もう一度測る

マイクの位置を固定して、5 秒のあいだ動かさずに測ってください。変えるのは位置の固定だけにして、自動ゲイン調整の切り替えはその次にすると、どちらが効いたのかが読めます。

→ いまの状態を測る

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